ムーディ・ブルース

ムーディ・ブルース『ディセンバー』

クリスマス・アルバム?何考えてんだ。 そんな風に思った、2003年に発表されたムーディ・ブルースの通算16枚目のスタジオ・アルバム『ディセンバー(December)』。『デイズ・オヴ・フューチュア・パスト』からでは15枚目。そして、最後のオリジナル・アルバム…

ムーディ・ブルース『ストレンジ・タイムズ』

1999年、8年ぶりにムーディ・ブルースのオリジナル・アルバム『ストレンジ・タイムズ(Strange Times)』がリリースされた。 1978年の『オクターヴ(Octave)』は、『セヴンス・ソウジャーン(Seventh Sojourn)』(1972年)から6年ぶりのアルバムだったが、本作は…

ムーディ・ブルース『キーズ・オヴ・ザ・キングダム』

1990年代のムーディ・ブルースが進むべき道を示すはずだった『キーズ・オヴ・ザ・キングダム(Keys of the Kingdom)』(1991年)[i]は、しかし、見事にこけた。そればかりか、バンドが時代から取り残された現実を正面から突きつける結果となった。 全米チャー…

ムーディ・ブルース『シュール・ラ・メール』

Sur la merって、なぜに突然フランス語? 1988年リリースの本作は、前作『ジ・アザー・サイド・オヴ・ライフ』に続き、アメリカのマーケットを意識したと思われるポップでコマーシャルなアルバム。これまた前作に続き、というか、前作以上にジャスティン・ヘ…

ムーディ・ブルース『ジ・アザー・サイド・オヴ・ライフ』

『ジ・アザー・サイド・オヴ・ライフ』は、1986年5月発売。2年ないし3年に一枚というのが、『オクターヴ』(1978年)以降のアルバム制作ペースとなったようだ。しかし、それ以外にも大きな変化のあった作品で、レーベルがポリドールに変わり、プロデューサー…

ムーディ・ブルース『ザ・プレゼント』

全米1位獲得の『ロング・ディスタンス・ヴォイジャー』に続くムーディ・ブルースのアルバム『ザ・プレゼント』は1983年8月にリリースされた。 同アルバムもまた、パトリック・モラーツのキーボード群が全体のイメージを決定づけている。前作同様、モラーツの…

ムーディ・ブルース『ロング・ディスタンス・ヴォイジャー』

村の広場に老若男女が集まって、眺めているのはパンチとジュディの人形劇のようだ。傍らには、手持ちのドラムを抱えて、ハーモニカのような楽器を咥えた演者らしき男が立っている。人々の衣装からみると、17、18世紀頃のイギリスを描いた絵画なのだろうが、…

ムーディ・ブルース『オクターヴ』

ムーディ・ブルース通算9枚目のアルバム『オクターヴ(Octave)』は、前作『セヴンス・ソウジャーン』(1972年)同様、1枚目のアルバム『マグニフィセント・ムーディーズ』(1965年)を完全無視の8にちなんだタイトルとなった。 『ソウジャーン』から六年後の1…

ムーディ・ブルース『セヴンス・ソウジャーン』

ムーディ・ブルースの通算8枚目のアルバムは、『セヴンス・ソウジャーン(Seventh Sojourn)のタイトルが示す通り、『デイズ・オヴ・フューチュア・パスト』から数えて7枚目を意味する。あくまで『フューチュア・パスト』が一枚目だと言いたいらしい。「七度目…

ムーディ・ブルース『エヴリ・グッド・ボーイ・ディザーヴズ・フェイヴァ』

『ア・クエッション・オヴ・バランス』から一年ぶりのアルバム『エヴリ・グッド・ボーイ・ディザーヴズ・フェイヴァ』(1971年7月)は、日本において、もっともよく知られたムーディ・ブルースのアルバムとなった。実際、唯一のヒット・アルバムといってよい…

ムーディ・ブルース『ア・クエッション・オヴ・バランス』

第二期ムーディ・ブルースの五枚目のアルバムは、前作から9カ月後の1970年8月にリリースされた。依然、ムーディーズのアルバム制作スピードは落ちていない。 しかし1970年代とともに、ムーディ・ブルースの音楽に大きな変化が生じたことは事実である。ヘイワ…

ムーディ・ブルース『オン・ザ・スレッショルド・オヴ・ア・ドリーム』

新生ムーディ・ブルースの三作目は、飛躍の一枚となった。全英アルバム・チャートで1位を獲得。『デイズ・オヴ・フューチュア・パスト』はやっと27位だったが、続く『イン・サーチ・オヴ・ザ・ロスト・コード』が5位とブレイクすると、『オン・ザ・スレッシ…

ムーディ・ブルース『イン・サーチ・オヴ・ザ・ロスト・コード』

『失われたコードを求めて(イン・サーチ・オヴ・ザ・ロスト・コード)』は1968年7月にリリースされたムーディ・ブルースの通算3枚目の、メンバー交代後では2枚目のアルバムである。『デイズ・オヴ・フューチュア・パスト』からわずか8か月後というのが驚く…

ムーディ・ブルース『デイズ・オヴ・フューチュア・パスト』

ムーディ・ブルースは、プログレッシヴ・ロック(progressive rock)の先駆的バンドと位置付けられているが、本質的には、ビートルズを代表とする1960年代のブリティッシュ・ビート・バンドが発展的変化(progressive change)を遂げた事例である。 1964年のビー…