2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ビー・ジーズ1976

「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」(1976.7) 1 「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」(You Should Be Dancing, B, R. & M. Gibb) 「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」はビー・ジーズの作品の中でも、もっとも注目すべきシングルといえる。言うまでもな…

横溝正史『白蠟変化』と『吸血蛾』

(『白蠟変化』、『吸血蛾』のほか、『犬神家の一族』、『白と黒』、『仮面舞踏会』、『悪霊島』の内容に触れています。) 『白蠟変化』(1936年)[i]と『吸血蛾』(1955年)[ii]は、横溝正史のいわゆるB級作品に位置づけられる。あるいは通俗長編といえばよ…

横溝正史『女が見ていた』

(本書の内容に触れています。) 『女が見ていた』(1949年)は、数多い横溝作品のなかでも、異色作という意味では筆頭に挙げられるだろう。 金田一耕助や由利麟太郎のような名探偵もののシリーズではなく、しかも新聞小説である。本作について、解説を書い…

横溝正史『八つ墓村』

(『八つ墓村』、『夜歩く』のほか、A・クリスティの『ABC殺人事件』の内容に言及しています。) 『八つ墓村』(1949-51年)は、横溝正史の代表作であると同時に、『犬神家の一族』と並んで、日本で最も名の知られたミステリ長編の一つだろう。 ストーリーの…

横溝正史「黒猫亭事件」

(「黒猫亭事件」のほか、『白蠟変化』、『夜光虫』、『真珠郎』、『双仮面』、「神楽太夫」、『夜歩く』、『悪魔の手毬唄』、『白と黒』の横溝作品、およびG・K・チェスタトン「折れた矢」、A・クリスティ『ABC殺人事件』、E・クイーン『エジプト十…

横溝正史『女王蜂』

『女王蜂』は横溝正史の代表作のひとつだが、言及されることは少ない。 本作は、『犬神家の一族』(1950-51年)に続いて雑誌『キング』に1951年6月号から翌年5月号まで1年間連載された。前作の好評による連続連載だったと推察されるが、事実『犬神家の一族』…

パトリシア・ハイスミスとトム・リプリー (『太陽がいっぱい』、『贋作』、『アメリカの友人』、『イーディスの日記』、『リプリーをまねた少年』、『扉の向こう側』、『孤独の街角』、『死者と踊るリプリー』の内容に触れています。) パトリシア・ハイス…