2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ビー・ジーズ1975

1970年代後半は、ビー・ジーズがバリー・ギブの主導体制、あえて言えば、ワン・マン体制に移行した時期である。ほとんどの曲でバリーがリード・ヴォーカルを取り、コーラスもバリーの多重コーラスではないかと思えるような曲が増えた。曲作りは、他のアーテ…

ビー・ジーズ1974

「ミスター・ナチュラル」(1974.3) 1 「ミスター・ナチュラル」(Mr. Natural, B. & R. Gibb) 「ひとりぼっちの夏」以来のシングルは、案の定惨敗に終わった。それでもビルボードでは93位となり、1967年から8年連続で全米シングル・チャートにランク・インす…

ビー・ジーズ1973

「希望の夜明け」(1973.1) 1 「希望の夜明け」(Saw A New Morning, B, R & M Gibb) 1973年のビー・ジーズは、「希望の夜明け」で始まった。しかし結果として夢も希望もなかった。全米94位、3年前の「イフ・オンリー・アイ・ハッド」と「アイ・オー・アイ・…

『災厄の町』の犯人は誰?

『災厄の町』(1942年)は、エラリイ・クイーンの代表作のひとつとして知られる。日本でも、江戸川乱歩[i]らによって、第二次大戦後に紹介された作品のうちの傑作として喧伝されてきたが、決定的となったのは、フランシス・ネヴィンズ・ジュニアによる評伝[ii]…

エラリイ・クイーン三部作:『ローマ帽子の謎』『フランス白粉の謎』『オランダ靴の謎』

(記事タイトルを変更、2023/3/25。『ローマ帽子の謎』、『フランス白粉の謎』、『オランダ靴の謎』の内容に触れています。) エラリイ・クイーンの最初の三つの長編ミステリが、共通の外観を備えていることは周知の事実だろう。 公共の場を舞台に、不特定多…