2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ニコラス・ブレイク『ワンダーランドの悪意』

(本書の真相を明かしています。) ニコラス・ブレイクの第六長編は『ワンダーランドの悪意』(1940年)[i]、言うまでもなく『不思議の国のアリス』をもじっている[ii]のだが、「アリス(Alice)」と「悪意(malice)」をかけたのは、日本語訳ではわかりにくい。…

ニコラス・ブレイク『短刀を忍ばせ微笑む者』

(本書の真相と結末を明らかにしています。) ニコラス・ブレイクは、第五長編『短刀を忍ばせ微笑む者』(1939年)[i]で作風が大きく変わった。それまでの四作品は犯人当てのオーソドックスなミステリであったが、本作は何とスパイ・スリラーである。随分唐…

ニコラス・ブレイク『野獣死すべし』

(本書のトリックおよび犯人のほか、アガサ・クリスティ、J・D・カーの長編小説のトリック・犯人に触れています。) 『野獣死すべし』(1938年)[i]は史上最高のパズル・ミステリだと、そう思っていた。 江戸川乱歩が、戦後まもない頃、「イギリス新本格派」…

ニコラス・ブレイク『ビール工場殺人事件』

(本書の犯人、トリック等のほか、注で横溝正史の短編小説のアイディアを明かしています。) ニコラス・ブレイクの第三作は、第一作の学園ミステリ、第二作の田園ミステリから一転して、ビール醸造工場内の殺人事件を扱っている[i]。おや、ブレイクが企業ミ…

ニコラス・ブレイク『死の殻』

(本書の真相、トリック等のほかに、注で、エラリイ・クイーンおよび横溝正史の長編小説に言及しています。) 処女作『証拠の問題』で学園ミステリに取り組んだブレイクの第二作『死の殻』[i]は、こちらもイギリス・ミステリ伝統のカントリー・ハウスものに…

横溝正史『扉の影の女』

(本編のほか、カーター・ディクスン『五つの箱の死』の犯人について言及しています。) 横溝正史の作品中、飛びきりの異色作といえば、まず本編が挙げられる。 その割には、従来、その異色ぶりというか、とんでもなさは、あまり論じられてこなかった。 どこ…

ニコラス・ブレイク『証拠の問題』

(本書の犯人およびトリックのほかに、G・K・チェスタトンの短編小説のトリックを明かしています。) ニコラス・ブレイクこと、セシル・デイ・ルイスは1904年にアイルランドに生まれた桂冠詩人で、俳優ダニエル・デイ・ルイスの父親としても知られている。と…

ビー・ジーズ・トリビュート・アルバム1996-1998

Soul of the Bee Gees (US, 1996) 01 Al Green, How Can You Mend A Broken Heart (1972) 02 Rufus featuring Chaka Khan, Jive Talkin’ (1975) 03 Candi Staton, Nights on Broadway (1977) 04 Portrait, How Deep Is Your Love (1995) 05 Dionne Warwick, …