2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

クリスチアナ・ブランド『自宅にて急逝』

(最後のほうで、かなり犯人、トリックについて突っ込んで言及しているので、未読の方はご注意ください。) 『自宅にて急逝』[i]は、クリスチアナ・ブランドの長編ミステリ第四作だが、いよいよ、この作者の本領が発揮され始めたようだ。 訳者あとがきに「こ…

クリスチアナ・ブランド『緑は危険』

(本書の犯人、トリックを明かしていますので、未読の方はご注意ください。) クリスチアナ・ブランドの代表作といえば、日本では『はなれわざ』(1955年)か、近年では『ジェゼベルの死』(1948年)が、直ちに思い浮かぶ。だが、海外では事情が異なり、『緑…

クリスチアナ・ブランド『切られた首』

(犯人は明示していませんが、ほぼほぼ、わかってしまいそうなので、未読の方はご注意ください。) 『切られた首』[i]は、クリスチアナ・ブランドの第二長編で、1941年に出版されている。アメリカでは翌年の刊行だが、第一作の『ハイヒールの死』の公刊が195…