2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧
新生ムーディ・ブルースの三作目は、飛躍の一枚となった。全英アルバム・チャートで1位を獲得。『デイズ・オヴ・フューチュア・パスト』はやっと27位だったが、続く『イン・サーチ・オヴ・ザ・ロスト・コード』が5位とブレイクすると、『オン・ザ・スレッシ…
(本作品の犯人、トリックから動機まで、あらいざらいぶちまけています。) 『本陣殺人事件』については、すでに語り尽くされていて、もはや新たな論点は残されていないように思える。 しかし、その評価は、我が国のミステリ史に新たな時代を切り開いた長編…
『失われたコードを求めて(イン・サーチ・オヴ・ザ・ロスト・コード)』は1968年7月にリリースされたムーディ・ブルースの通算3枚目の、メンバー交代後では2枚目のアルバムである。『デイズ・オヴ・フューチュア・パスト』からわずか8か月後というのが驚く…
ムーディ・ブルースは、プログレッシヴ・ロック(progressive rock)の先駆的バンドと位置付けられているが、本質的には、ビートルズを代表とする1960年代のブリティッシュ・ビート・バンドが発展的変化(progressive change)を遂げた事例である。 1964年のビー…
(本書のトリックおよび犯人のほかに、クリスティアナ・ブランドの『はなれわざ』、アガサ・クリスティの長編小説の真相を明かしています。) ニコラス・ブレイクの第十五長編『メリー・ウィドウの航海』(1959年)[i]は、これぞパズル・ミステリというべき…
(本書のアイディアおよびプロットを明かしているほか、『野獣死すべし』について、ちょっとばらしています。) 『血ぬられた報酬』(1958年)[i]、タイトルはまるでハードボイルド・ミステリだが、前作の『章の終わり』(1957年)[ii]から一転して、再びサ…
(本書のほか、『旅人の首』の内容に言及しています。) 出版社というのは、作家にとっては身近な存在であるはずなので、舞台にしやすいのだろうか(いや、むしろ、しにくいのか。本を出してもらっているわけだから)。ニコラス・ブレイクの1957年の長編『章…