ビー・ジーズ2001

 『ディス・イズ・ホェア・アイ・ケイム・イン』は、通算20枚目(オーストラリア時代の3枚を除く)、21世紀になって最初の、そしてビー・ジーズにとって最後のオリジナル・アルバムとなった。

 1967年の『ビー・ジーズ・ファースト』から実働35年。20枚というのは1.75年に1枚のペースで、少ないのか、そうでもないのか。はっきりしているのは、35年もグループが続くのは珍しいということだ。もっとも、近年では再結成してツァー、アルバムも発売という例も見受けるので、そう珍しくもないのか。ビー・ジーズにもグループ消滅期間があった。しかし、それはほんの一年足らずで、またすぐ磁石のようにくっついたので、やはりファミリー・グループの強みということだろうか(あ、ヴィンス・メローニィやコリン・ピーターセンを蔑ろにしているわけではありません)。

 1.75年に1枚と書いたが、最初の10年間で12枚リリースしている。1968年と1970年は2枚ずつで、デビューから4年で6枚のなかなかのペースである。もっとも、ビートルズは、最初の3年間で6枚アルバムを発売している(1963~65年)。ビーチ・ボーイズに至っては、4年間で8枚である(1962~65年。企画アルバム等を除く)。無茶苦茶な時代でした。

 ビー・ジーズに話を戻すと、毎年一枚以上のアルバムをリリースしていたのが途絶えたのが、皮肉なことに全盛期の1977年だった。同年は『サタデイ・ナイト・フィーヴァー』の発表年で、以後数年に一枚のペースに落ち着く。最長の空白期は1982年から86年までの5年(もっともこの間、ロビンが3枚、バリーが1枚ソロ・アルバムをリリースしている。プロデュース作品が加わるので制作数はむしろ増えている)。『スティル・ウォーターズ』は、前作の『サイズ・イズント・エヴリシング』から4年ぶりのアルバムだったが、『ディス・イズ・ホェア・アイ・ケイム・イン』もそれから4年たった新作。

 もちろん、当時はこれが最後のオリジナル・アルバムになろうとは思いもよらなかったが、なんだかんだ言って、よく頑張りました。お疲れ様でした(いや、まだ終わりじゃないって)。

 

ビー・ジーズ「ディス・イズ・ホェア・アイ・ケイム・イン」(This Is Where I Came In, 2001,3)

01 This Is Where I Came In (B, R. & M. Gibb)

02 Just In Case (B, R. & M. Gibb)

 アルバムを参照。

03 I Will Be There (B, R. & M. Gibb)

 地平線に沈む夕日を目指して疾走していくような(?)軽やかなテンポに乗って進む、どこかカントリー風でもあるポップ・ナンバー。ロビンのリードからバリーにバトン・タッチして、サビは再びロビン中心で、「アイ・ウィル・ビー・ゼ~・フォ・ユ~、オーオオ、オーオオ、アイ・ウィル・ビー・ゼ~・フォ・ユ~」のキャッチーなコーラスが素晴らしい。

 むしろ、こちらがシングルでもよかったのではないかと思える佳曲で、メランコリックで郷愁を感じるメロディは、これが最後のシングルと考えると、なおのこと、胸を熱くさせる。

 

ビー・ジーズ『ディス・イズ・ホェア・アイ・ケイム・イン』(This Is Where I Came In, 2001,4)

 『スティル・ウォーターズ』は、複数のプロデューサー起用が特色だったが、『ディス・イズ・ホェア・アイ・ケイム・イン』も複数のプロデューサー、ではなくて、兄弟3人が単独でプロデュースした作品が含まれている。はっきり言えば、ソロ作品を持ち寄ったというほうがよい。なんだか『トゥー・イヤーズ・オン』を思い出すなあ。

 具体的には、1999年の夏頃に、バリーとモーリスはマイアミのミドル・イアー・スタジオで、ロビンはロンドンのエリア21・スタジオで、各自3~4曲をレコーディングしたらしい[i]。それぞれのレコーティング・スタイルに特徴が出ていて、バリーはなじみのスタジオ・ミュージシャンたちとの共同作業で、共作もしたという体育会系合宿型。モーリスは、殆どひとりで演奏もプログラミングなどもこなして、オタク感丸出しの引きこもり型。ロビンは、元ジェスロ・タルのピーター・ジョン・ヴェティス[ii]を相棒に選んで、プロデュース以外にバックトラック作成やバック・ヴォーカルもお任せのおんぶにだっこ型(モーリスの代役だったようだ)[iii]

 勝手気ままにやれて各人満足だったのかもしれないが、出来上がりはさすがに色々問題がありすぎたようで、新たに三人で追加の新曲を書いたという。その後2000年の4月から6月にかけて、マイアミのスタジオでタイトル曲を含む5曲をレコーディングし[iv]、それらを加えることで、アルバムは完成した。

 今にして思えば、このアルバム制作の方法は不吉な予感しかしない。メンバー全員が、とくにバリーはグループ活動に倦み疲れていたように思われる[v]。アルバム・ジャケットは、壁にもたれるバリーの前をロビンとモーリスが通り過ぎる(ブレているうえに、顔は隠れている)様が撮られている。壁には、デビューの頃の若々しい三人が車の前に並んでいる写真が飾られ、何とも意味深長なデザインになっている(バリーは写真と同じポーズをとっている。また、ジョン・レノンの『ロックン・ロール』のジャケットを意識しているようにも見える)。結果的に、モーリスの死がビー・ジーズを消滅に導いたのは明らかだが、それがなかったとしても、グループによる活動は長期間休止となる運命だったのかもしれない。ビー・ジーズの「白鳥の歌(Swan Song)」は着実に近づいていたのだ。

 

01 「ディス・イズ・ホェア・アイ・ケイム・イン」(This Is Where I Came In, B, R. & M. Gibb)

 地を這うような重々しいサウンド・エフェクトから、ギターのつま弾きで始まるロック、あるいはフォーク・ロック・タイプの曲。これも後になってみれば、の感想になるが、何となく「ニュー・ヨーク炭鉱の悲劇」のギターのイントロを思い出させる導入である。

 「ニュー・ヨーク炭鉱」はバリーとロビンのコーラスから始まるが、本曲では、小刻みなヴァースのメロディを、まずロビンがいささか頼りなげに、次にバリーがやや強面に歌うと、「オオオオーオオ、オオオオーオオ、・・・ディス・イズ・ジャスト・ホェア・アイ・ケイム・イン」とタイトル・フレーズのコーラスが入り、間髪入れず、ロビンのハイ・トーンのヴォーカルが飛び出して、例によって、トップから下降してくる。大体、これらのパートから成り立っているが、メロディアスとはいえず、スロー・テンポながら、全体として、ビー・ジーズ流のロック・コーラス・ナンバーである。

 イギリスではシングル・カットされて、18位。ラストを華々しく飾ることはできなかったが、持ち味であるセンチメンタリズムを排したハードな感触は、やっぱり「ニュー・ヨーク炭鉱の悲劇」との相似を窺わせて、不思議な暗合を感じさせずにはおかない。

 

02 「シー・キープズ・オン・カミング」(She Keeps On Coming, B, R. & M. Gibb)

 前曲同様、2000年になって新たに録音された作品。

 ロビンが全編リード・ヴォーカルを取るアップ・テンポのロック・ナンバー。とはいえ、重苦しい前曲と比べると、幾分軽やかなタッチで、ロビンのヴォーカルもリラックスしている。というか、バリーの口のなかでもごもごする歌い方を真似ているようにも聞こえる。これはっ!第二のブルブル唱法か(バリー・ギブ『ホークス』を参照)?

 曲調は、かつての「アラスカへの道」を思わせるところもある。ヴォーカルは、あんなにヘロヘロではないが。ここまでの二曲は、再びビー・ジーズがロック路線をとり始めたかの印象を持たせる。

 

03 「セイクレッド・トラスト」(Sacred Trust, B, R. & M. Gibb)

 1998年に、当時人気沸騰中だったバックストリート・ボーイズのために書かれたという。しかし、ボーイズ側にマネージメントなどの問題があって、それにまぎれて、結局レコーディングは行われず[vi]ビー・ジーズ自身が2000年になって、上記の2曲とともに録音したそうだ[vii]

 こちらは、バリーが一曲通してリード・ヴォーカルを取っている。恐らく作曲者であるバリーが捨てがたく思ってレコーディングしたのだろうが、新進気鋭の人気バンドに書いたにしては、少々物足りない。手堅くまとめられていてメロディも悪くはないが、なぜかもうひとつ、はっと思わせるフレーズがなく、何となく流れて行ってしまうような感じなのだ。相手が人気ボーイズ・バンドだということを意識しすぎたのかな。

 

04 「ウォディング・デイ」(Wedding Day, B, R. & M. Gibb)

 いかにも結婚式の鐘の音という感じのイントロから始まるウェディング・ポップ・ソング。

 冒頭のバリーのリードは、何だか眠たそうなだらだらした歌い方で(メロディがそうなのか)、興奮して眠れなかった新郎の気持ちを表現しているのだろうか。しかし、続く展開部は、バリー特有のメロディ展開で、思わずはっと目が覚める。そしてサビでロビンのこぶし全開のヴォーカルが響き渡ると、そこにバック・コーラスが加わる後半などはとくに、得も言われぬ感動をもたらしてくれる。まるで自分が新婦の父親になったような気分で、思わず目頭が熱くなる。

 全体の印象は、「フォー・フーム・ザ・ベル・トウルズ」に似ているが、イギリスでのヒットで味をしめたのだろうか。「フォー・フーム」もそうだったが、サビのメロディはビー・ジーズのベストとはいえず、やや単調で物足りないが、フィフィス・ディメンションの名曲「ウェディング・ベル・ブルース」(1969年)のように、ドラマティックななかに愛らしさを秘めた、ちょっと忘れがたい作品である。

 

05 「マン・イン・ザ・ミドル」(Man in the Middle, M. & B. Gibb)

 ここからソロ・セクションに入る。一番手はモーリスである。

「マン・イン・ザ・ミドル」、「真ん中の男」というわけで、すっかりモーリスのグループ内の立場を示す自己紹介ソングにされてしまった[viii](『ミソロジー』でも、モーリスのパートの一曲目に入っている[ix])。しかし、歌詞を見ると、そうではない(「こんぐらがった計画のただなかに放り込まれてしまった」男のことらしい)。

 曲調から明らかなように「オメガマン」の続編で、SF映画サウンドトラックのような人工的なサウンドをバックに、モーリスが飄々と歌う。バリーとの共作というのも久しぶりのことだ。

 

06 「デジャ・ヴュ」(Déjà Vu, B, R. & M. Gibb)

 ギターのジャーンの一撃から「ディス・イズ・マイ・デディケ~ション」のコーラスで、お、これは、と期待を抱かせる。ロビンがヴァースを歌い出すと、期待は確信に変わる。そしてサビの「イッツ・マイ・デジャ・ヴュッ、スウィート・デジャ・ヴュ~」で、出ました、必殺のフレーズ。

 哀愁を込めながらも力強さを増したロビンのヴォーカルによるブリティッシュ・ポップ。久方ぶりの会心のシングル候補ナンバーだと思ったが、ソロ作品ということでシングルから落ちたらしい[x]。残念なことだ、三人で書いたんだからいいじゃん、とも思うが。しかし、この曲を含むロビンの三曲が、いずれも似たり寄ったりの曲調とはいえ、ひときわシャープでソリッドな味わいを湛えているのは、バック・ヴォーカルも担当したピーター・ジョン・ヴェティスの貢献が大きいようだ。

 でも、本アルバムでのロビンのベストは、まだこの後にくる。

 

07 「テクニカラー・ドリームズ」(Technicolor Dreams, B. Gibb)

 バリーの一曲目は、彼らしいドラマティックなバラードかと思いきや、ヴォードヴィル[xi]風というのか、ポール・マッカートニーの「ホェン・アイム・シックスティフォー」みたいなというか、意外なお座敷ソング。

 最初、「テクニカラー・ドリームズ」がアルバム・タイトルに予定されていたそうだが、「テクニカラー」が商標だということで、没になったとか[xii]。いろいろ大変ですね。

 曲は、バリーらしい親しみやすくコマーシャルなメロディだが、ロビンの快作のあとでは少々物足りないか。

 

08 「ウォーキング・オン・エア」(Walking on Air, M. Gibb)

 「ウォーキング・オン・エア」は「マン・イン・ザ・ミドル」と同じようなサウンドだが、とくに冒頭のマイナー調のメロディが素晴らしく印象的で、出来栄えは、はるかに優っている。それどころか、モーリスの最高傑作ではないか、とも思わせる。

 重く垂れこめた雲の合間を漂うようなヴァースから、サビはモーリスの一人多重コーラスで、上昇気流に乗って成層圏までさ迷っていくような感覚は、まさに「ウォーキング・オン・エア」である。

 元ビーチ・ボーイズブライアン・ウィルソンから届いた賞賛の言葉に感激した、というモーリスの言葉が本作のすべてを物語っている[xiii]

 

09 「ルース・トーク・コスツ・ライヴズ」(Loose Talk Costs Lives, B. Gibb)

 バリーの2曲目は、しゃれたメロディのリズミカルなポップ・バラード。ブルー・ウィーヴァーやアルビィ・ガルテンとの共同作業で培ったセンスが活かされたかのようなナンバー。

 相変わらず語りかけるようなひそひそヴォイスで、ファルセットを使わずにしっとりした感触に仕上げている。でも、なければないで物足りないような・・・、と思うのは、こちらもファルセットの周期的服用で中毒症状を起こしているのか・・・。

 冗談はさておき、バリーのソロ作では、メロディの魅力はこの曲が一番だろう。

 

10 「エンブレイス」(Embrace, R. Gibb)

 ロビンの2曲目は、「デジャ・ヴュ」にさらに勢いをつけたユーロ・ポップ。曲は多少落ちるが、ロビンの声を楽しむなら、こちらかもしれない。

 曲が多少落ちるのは、やはりロビンの単独作だからかもしれない。80年代のソロ・アルバムの延長上にあるような作品で、しかしメロディはくっきりして親しみやすく、テンポのよさが曲全体のレヴェルを引き上げている。それにしても快調で、最後の「パパパッパッパ~」のバック・コーラスまで、野生馬に乗って荒野を駆け抜けていくような(どういう例えだ)開放感を味わわせてくれる。

 

11 「エクストラ・マイル」(Extra Mile, B, R. & M. Gibb)

 かつてのオーストラリアでの活動の機縁から、2000年のシドニー・オリンピックに楽曲提供を依頼されて作った曲だという[xiv]

 これこそまさに堂々たるバラードの大作で、バリーとロビンがオーケストラをバックに感情を込めた力の入った歌声を聞かせる。曲が悪いわけではないが、実に重い、重すぎる。関係者を困惑させ、使用をためらわせたというのもよくわかる。あまりに威風堂々とし過ぎていて、これでは100メートルを走るアスリートも世界記録を出しにくいだろう。重量上げにはいいかもしれないが。

 ロス・アンジェルス・オリンピックのとき(「シェイプ・オヴ・シングス・トゥ・カム」)は、あんなに軽快だったのに(曲の出来はさして変わらないと思うが)。

 

12 「ヴォイス・イン・ウィルダーネス」(Voice in the Wilderness, B. Gibb, B. Stivers, S. Rucker, A. Kendall & M. Bonelli)

 アルバムの正規の楽曲のラストを飾るのはバリーのソロ作。

 とにかく物凄い勢いで突っ走る。作曲の顔ぶれがバンド総動員なので、当然バンドのセッションから生まれた楽曲とわかる[xv]が、それにしてもすごい。すごいとしか言いようがないが、サウンドもすごいが、バリーの曲もすごい。十八番の早口言葉で押し通す。それはもう、どこまでも一直線で、誰にも止めようがない。もっとも、モーリスもロビンも後からコーラスに加わったらしい。

 最初がハードなタッチの「ディス・イズ・ホェア・アイ・ケイム・イン」だったので、最後もハードな本作で、一応平仄は合っている。・・・などと、つぶやいているうちに曲は終わって、聞き手はひとりポツンと取り残される。タイトルが「荒野の声」だから、これも、うまく平仄が合っている?

 

13 「ジャスト・イン・ケイス」(Just in Case, B, R. & M. Gibb)

 この曲は、以前からファンの間で存在が知られていた。というのは、ドキュメンタリー・フィルムの『ケッペル・ロード』で彼らの作曲風景が紹介されていて、作られていたのがこの曲だったからだ[xvi]

 というわけで、待ちに待った待望の作品かと思うと、あにはからんや、若干物足りない。耳触りの良い流麗なバラードで、ロビンのヴァースからバリーのサビに至る王道のパターンだが、メロディは分かりやすいものの、ちょっと盛り上がりに欠ける。サビのメロディも単調な繰り返しで、少し退屈。一番印象的なのが間奏のキーボードのメロディでとっつきやすいが、何だか素人っぽいのも彼ららしい?

 

14 「プロミス・ジ・アース」(Promise the Earth, B, R. & M. Gibb)

 正真正銘のアルバムのラストは、ボーナス・トラックの「プロミス・ジ・アース」で、実際はロビンのソロ作品。

 随分スケールの大きなタイトルだが、「ディス・イズ・ホェア・アイ・ケイム・イン」同様、SF的なエフェクトから、前二曲のソロ作よりも神秘的なロビンのヴォーカルが聞こえてくる。その瞬間、再び、おおっ、これは、となる。

 まるで地球が滅亡するかのような、緊迫感に満ちたヴァースから、「プロミス・ジ・ア~スッ」のハイ・トーン・コーラスが宇宙空間にこだまする(空気がないから、そうはならないが)と、流星の群れが雨のように地上へと降り注ぐ(というようなイメージ)。人類を乗せた宇宙船団が、遥かな未来に向かって星々のなかに旅立っていく背後には、青い地球だけが残される(というイメージ、歌詞の内容は違うみたいだけど[xvii])。

 ロビンがヴェティスと作り上げた一大ポップ・シンフォニーは、新たなビー・ジーズのクラシックだ。本アルバムは、そしてビー・ジーズは、この曲によって見事な大団円を迎えた。

 

 『ディス・イズ・ホェア・アイ・ケイム・イン』は、バリーに比べると、ロビンとモーリスのほうが目立っている。ソロ作は、バリーとロビンが3曲ずつ、モーリスが2曲。残る6曲のうち、バリーとロビンのリード・ヴォーカルが1曲ずつ、他の4曲はバリーとロビンがリードを分け合う。という具合に、バリーが主導だった『スティル・ウォーターズ』と異なり、ロビンの分担が増えた。モーリスも存在感を増している。このことはバリーの衰えを意味するというより、ビー・ジーズが、稀代のメロディ・メイカーであるバリー・ギブを頂点に、それを、ロビンがアーティスティックに、モーリスがテクニカルに支える最強のトライアングルだったことを実証する。

 この屈強なトライアングルは、まだまだ撓むことなく屈強であり続けるはずだったのだが。

 この地球に約束しよう、ビー・ジーズが生みだしたメロディの魅力は永遠だと。

 

[i] J. Brennan, Gibb Songs, Version 2: 1999.

[ii] Melinda Bilyeu, Hector Cook and Andrew Môn Hughes, The Bee Gees: Tales of the Brothers Gibb (New edition, Omnibus Press, 2001), p.659.

[iii] Ibid.

[iv] Gibb Songs: 2000.

[v] Ibid.

[vi] Gibb Songs: 1998.

[vii] Gibb Songs: 2000.

[viii] The Bee Gees: Tales of the Brothers Gibb, p.658.

[ix] Bee Gees, Mythology (Reprise Records, 2010), Disc 3.

[x] Gibb Songs: 1999; The Bee Gees: Tales of the Brothers Gibb, p.659.

[xi] バイオグラフィでは、「ミュージック・ホール・ナンバー」とあるので、あながち間違いではないようだ。The Bee Gees: Tales of the Brothers Gibb, p.659.

[xii] Ibid., p.654.

[xiii] Ibid., p.659.

[xiv] Ibid., p.660.

[xv] Ibid., pp.659-60.

[xvi] Ibid., p.656; Keppel Road: The Life and Music of the Bee Gees (1997, Universal Music International, 2004).

[xvii] 「大地に約束しよう。彼女に大洋を返す、と」という歌詞を見ると、むしろエコロジー的な主題なのかもしれない。