2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『帽子収集狂事件』

(E・C・ベントリー、F・W・クロフツ、横溝正史、高木彬光の小説の内容に触れています。) 『帽子収集狂事件』(1933年)は、カーの代表作であり、出世作としても知られている。 ダグラス・G・グリーンの『ジョン・ディクスン・カー〈奇蹟を解く男〉』で…

『夜歩く』

(ヴァン・ダインの『カナリア殺人事件』、モーリス・ルブランの短編小説の内容に触れています。) 『夜歩く』(1930年)はジョン・ディクスン・カーの処女作である。 例によって、本作も日本では長い間絶版が続き、クイーンやクリスティの処女作に比べると…

『爬虫類館の殺人』

『爬虫類館の殺人』(1944年)は、ジョン・ディクスン・カー(カーター・ディクスン)の中期の代表作のひとつに挙げられている。『連続殺人事件』(1941年)や『皇帝のかぎ煙草入れ』(1942年)などとともに、創元推理文庫で版を重ねたこともあり、カーの長…

『三つの棺』

(文中で、モーリス・ルブランの短編小説と鮎川哲也の長編小説の内容に触れています。) 『三つの棺』(1935年)は、ジョン・ディクスン・カーの代表作の一つとして知られている。そればかりではなく、密室小説としても専門作家による投票で一位になったこと…