2021-12-25から1日間の記事一覧

J・D・カー『曲がった蝶番』

(本書のトリック等に触れています。) 『曲がった蝶番』はジョン・ディクスン・カーの代表作のひとつに挙げられるが、どのような意味での代表作なのか、判断に迷うところがある。 江戸川乱歩は「カー問答」のなかで本作をカー長編の第二位の7冊のうちに入れ…

エラリイ・クイーン『Zの悲劇』

(内容に触れています。) 『Zの悲劇』(1933年)は、ドルリー・レーン四部作のなかでも、ある意味、一番論議を呼んできた作品である。 『Xの悲劇』、『Yの悲劇』は、「〇幕〇場」の演劇仕立ての章構成、シェイクスピア俳優だった主人公にちなんだ舞台劇っぽ…